バラモンキング 2017はバラモンキングになれず・・・とかなり悔いの残る結果となった。
2017/3からの約3ヶ月間のトレーニングプランのおおよそ80%はこなしており、事前のレースプランもしっかりたて望んだにも拘わらず・・・である。う〜ん、まだ何か根本的に足らないものがありそうである。まずはレース内容を振り返ってから考えよう。
天気予報ではレース当日は雨の予報で、事前には寒さを想定した準備を考えていたが、直前の予報と今回の現地での行動に混ぜていただいたJ-BEATの劇的晴れ男?!が
と自信満々の思いが効いてか?!早朝には雨は上がりそうな様子でもあった。
晴れます!
と自信満々の思いが効いてか?!早朝には雨は上がりそうな様子でもあった。
当日の朝は3時起床、4時半出発と肌寒さを感じる暗闇の中での移動の中・・・予想より雨も早めにあがり、懸念された大雨の中の移動も無くレース会場にスタート2時間前に到着。ここからスタートまでの会場の空気感と緊張感が、他の日常的な時間で感じることない
とうまく表現が難しい苦しくも興奮する時間である。こういうとき仲間の笑顔が最も副交感神経を高めてくれる。
たまらなく心が詰まる・・・
とうまく表現が難しい苦しくも興奮する時間である。こういうとき仲間の笑顔が最も副交感神経を高めてくれる。
スイムコースは、湾の中で泳ぎやすいという事前情報通り、前日コースを見た印象では水面は静かでとても泳ぎやすそうな印象ではあったが、当日は風も強く沖合はうねりがみてとれた。
今回のレースは事前プランどおりいつも以上にペースを落として、レースマネジメントに徹するのが最優先課題である。スイムも平均心拍140bpmに押さえていく事を決定していたので、気持ち的には落ち着いていた。結果としてのデータは下記である。
左:1周目 右:2周目
今回は今までになくバトルに巻き込まれ、1周回の途中でスイムキャップが外れること1回、Garminの時計は接触で何度も止められてしまった。途中から止まった時計の復帰の必要性に気づき後半はなんとか記録ができている。
2周回目はフルデータ、1周回のスタート12分しか残ってないがデータを見ても目標値140bpmに対して、
1周回:平均心拍137bpm
2周回:平均心拍123bpm
と今までのレースと比べても、-15bpm程度かなりペースを押さえてスイムを終えられていることが分かる。ブイの確認も問題なくできていたこともあり、2周回目の距離データでも1908mとコース取りもロスがなかったといえる。前日の想定より海にうねりがあり、非常に泳ぎにくい状況ではあったが、タイム的にも予想タイムの01:20に対して結果は01:23:40と+3minとこれだけ心拍を押さえての結果としては計画通りにできたのではないだろうか。
1点気になったのは、いつもにない”尿意”である(^^ゞ レース前にそんなに水分を摂取した気は無いが、スイムアップ後のトイレでの排出量?!からみると、朝食とスタート前のゼリー5つの摂取が原因のような印象。朝食の内容も再考が必要そうですね。
その他は特に違和感なくスイムを終えられた・・・とこの時は思っていた。
バイクへのトランジションも問題無く終え、トイレにも駆け込み体も気分もすっきり。スムースにバイクスタートが切れた。
スタートして10kmは比較的平坦な冨江港の町中を疾走していく。しかし、今回は計画通り我慢のレース・・・得意のバイクといえどプラン通りパワーFTPの70%に当たる175W周辺を維持する。これぐらいの出力だと、ペース的にも抜かれることはあるが、それでも我慢・・・我慢・・・後半に足を残しておけば間違いなく結果的に追いつくことになる・・・と言い聞かせながら進む。
データからも意図したペースで走れていることが分かる。パワーもNP=180W, 平均心拍も138bpmと十分押さえられている。
データからも意図したペースで走れていることが分かる。パワーもNP=180W, 平均心拍も138bpmと十分押さえられている。
ここから定期的な登りと下りが続くことになるが、登りでのパワーも190W台に押さえ淡々と登っていく。ここでもガンガン踏んでいく選手には多少抜かれることもあるが、気にしない・・・気にしない。この程度の出力に抑えておけば、バラモンの坂と言えど体感的なしんどさはあまり感じないので、名物の鬼岳を周回する山岳コースもそれほど気にならず、後半相当余裕を持ってバイクを終えられそうという流れを感じていた。この出力でもほぼ平均30km/hを維持できそうなので、6時間+αでバイクは終えられそう・・・という感触である。
ただこのころから気になり始めたのが、前述の画像(バイク20km地点)以降から感じる胸焼けと嗚咽である。これだけ低出力で走っているのに、なぜか例の気持ち悪くなる兆候が出始めている。でも先日の横浜の時もバイクの後半安定してきたので、今回もいずれ収まるだろうと思いながら進んで行った。しかし・・・この嗚咽がこの後、益々ひどくなっていくことになる。
この嗚咽の最大の問題は、発生すると腹・・・つまり体幹に力が入らなくなる・・・。DHポジションを維持するために重要な体幹に力が入らないとなると、ポジションを維持できないだけでなく、足だけでのペダリングを強いることになる。50kmを越えた当たりからすでに175Wを維持することすら難しくなってきていた。我慢のレースとしての最低出力のはずが・・・平地ではこの出力すら出せない??このころから気持ち的にも暗雲が見え隠れし始めていた。
鬼岳 周回1周目
鬼岳周回1周目のデータを見てもNP=159W、平均心拍140bpmとすでにターゲットの175Wすら維持できなくなっている。
体幹が使えないことにより必ずついてくるのが腰痛である・・・さすがに我慢できなくなったので、100km地点のUターンポイントの先端でトイレの兼ねて休憩する。この休憩でまた想定外のことが・・・。
体幹が使えないことにより必ずついてくるのが腰痛である・・・さすがに我慢できなくなったので、100km地点のUターンポイントの先端でトイレの兼ねて休憩する。この休憩でまた想定外のことが・・・。
今回から導入したガーミンのForAthlete935、どうやらオートトランジション認識機能があるようで(ここは要確認)・・・トイレに寄ってGPS信号が止まった事により?!急にバイク→ランのトランジションに移管してしまった。(゜◇゜)ガーン・・・一度先に進むと今の機能では戻ることができない?!スイムだけでなくバイクも記録が途絶える・・・と気持ち的にまた凹む。
少し休憩できたことで腰の痛みは少し回復したため、その後5km程度はまた踏める感じではあったが、やはり腹に力が入らないとなるとすぐに腰の痛みが戻ってくる。さらにさっきの休憩時に摂取したゼリーが起爆剤になってしまい、途中嘔吐により摂取したOS-1がすべて排出される始末・・・こうなると脱水症状の前兆の兆候が出始め意識がもうろうとして、真っ直ぐ走るのも難しくなる。
とりあえず次のエイドまで・・・となんとか120km付近のエイドに到着。そこで水を受け取って、少し休めば多少は戻るかも??という期待で休憩をとってみるも、すでに水すら体が受け付けない状況に・・・。外も高温で発汗を押さえられない気温の下では、継続するのが危険な状況のため、残念ながらリタイアをすることにした。
今回のような殆ど疲労を感じることない状況でのリタイアは、IRONMAN TAIWANに引き続き超不完全燃焼のレースである・・・原因はなんであろうか?問題として考えられる事象をいくつか上げると、
・朝食にとった大量のゼリー飲料
→ 摂取時にちょっと気持ち悪さを感じていた
→ 摂取時にちょっと気持ち悪さを感じていた
・スイム中に感じた尿意
・バイク20km地点から感じ始めた嗚咽
・OS-1の摂取量不足
・バイク時の体幹を使えなくなったことによる腰痛の悪化
・嘔吐の起爆剤になってしまったゼリー
・バイクでパワーを掛けられなくなってからの低体温
後半5つはそれぞれ明確な依存関係があり、バイク20km地点から感じ始めた嗚咽が根源となっている。
これらから考えらることは、
・スイム時の波酔い
・メンタルを起因とする神経的リミッターの発動
→スイムへの不安感、バイク時のトラウマ
ぐらいしか今は考えられない。とりあえずレースだから特別な事をするのではなく、普段通りの食事をして普段通りに当日を迎えようと思う(笑)
普段食べられないものはなく、胃腸が弱いと思った事もない。幼少時代以降は乗り物酔いもほとんどない自分としては、昨年から立て続くこの内蔵トラブルは相変わらず悩ましい状況である。今回の症状の後も4時間程度休むと普通に食事が可能になった。体にも全く疲労は残っていない。
この8ヶ月のトレーニングで、バイクパフォーマンスはかなり安定してきているので、今シーズンは今まで蓋を開けていなかった、
・スイムの改善によるメンタル強化
・体幹を中止とした持久系に適した体作り
にフォーカスしていきたい。
全然ダメだわ・・・ほんとこれでは普段いろいろ協力してくれている家族や周囲にも全く示しがつかない・・・もっとやるしかない
しかし、このバラモンキング・・・ほんと素晴らしい大会だった。まさに五島の方々のホスピタリティーを全身で感じることができ、それでかつ長年培われたノウハウの蓄積により隅々まで日本人的気配りが行き届いたすばらしい運営である。今回はバラモン常連のJ-BEATのみなさまに混ぜて貰い、至れり尽くせりの歓待?!を受けたことにより、よりこの大会を満喫することができた。個人的に感じた特徴をいくつか挙げるとすると、
・子供からお年寄りまでの沿道の応援がほんと心温まる
(東京マラソンのような大都市型とはまた違った感動)
(東京マラソンのような大都市型とはまた違った感動)
・ボランティアスタッフの選手に対する気遣いとレースに対する思い入れが感動の域
・道路の広さと舗装の質が非常に高く、そして各危険ポイントの養生がかなり丁寧
・水産、畜産、農産すべてそろっているので食べ物のバリエーションが豊富
・レース会場が非常にコンパクトなエリアなので移動が楽
また今回はそのバラモンを愛する多くのトライアスリートのみなさまと昼も夜も過ごし、いやぁこんなドMスポーツを継続している人達は、ホントみんないい人達だなぁと再認識することができた(笑)
そして、身近な選手が多数上位入賞している姿を見て、自分の課題を認識する貴重な機会になった。
これはまたリベンジしなければならないレースが増えました・・・。もっと頑張らないとね〜。
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